貯蔵庫

日記、ぶつける当てのないもやもやを置いておく場所

茄子

AM11:00。尿意で目が覚める。休日であることを思い出すまでの2秒間、心臓が飛び出しそうになる。何年経ってもこの感覚は消えないな。便器に座り、止まる気配のない放尿音を聞きながら、昨晩はたくさん飲み物のんだかなと思い返す。思い出せなかった。

予定と飯がない。具のないサッポロ1番を茹でて啜る。ごくたまに、なにもいれない袋麺が食べたくなる時がある。1人で過ごす休日の昼にのみ味わえる味だ。出かけるにしても出かけないにしても、晩御飯の準備をしたほうが後が楽だなと思い、米を炊いておかずを作る。冷蔵庫を開けると、夏野菜がたくさんある。にっこりしてしまう、色がきれいだ。少し前にネットで見て作った、大葉を入れた肉みそ茄子炒めを作ることにした。薄いビニールの袋に手を入れむんずと茄子をつかむ。茄子を握った右手中指に鋭い痛みが走る。指の腹に黒く小さな異物が刺さっている。驚いて茄子をじっくり観察すると、ヘタの部分にバラのような恐ろしく鋭利な棘。あら生意気、貴女ってこんなに攻撃的な子だったのね。料理を一時中断し、妻の部屋の机の引き出しを開け、毛抜きを拝借する。棘のお尻をつまもうとするも奥まで入り込んでいてうまくいかない。ネットで対処法を調べると、やれ針やら爪切りを使い皮を切るだのと書いてある。おっかねえ。爪切りでちょいちょいとチャレンジするも、怖すぎて冷や汗が止まらない。我々現代に生きる武士にとって、自分自身に刃を向けるということが、どういうことかわかっているのか。まったく、けしからん。

諦めて料理に戻るも、棘のことが気になって仕方がない。風呂に入りふやかしてからだと取りやすいと書いてあったので、風呂後に再チャレンジしようということにし、一旦は落ち着ける。得意の課題先延ばし戦法だ。いつも後悔するのは自分である。

料理を終え、あてもなく古着屋へ向かう。黒のTシャツとベージュの大きいシルエットのポロシャツを1枚ずつ買った。無地の服が増えるづける人生である。私は店にあるすべての服を見てしまうので、ばつっと時間で区切るしかない。無理やり帰った。

妻が帰ってくるので出迎えて、一緒にご飯を食べた。好評であった。後片付けをし、風呂を沸かして入った。妻は何もしたくないというので頭を洗ってあげた。大層喜んでいた。

風呂から上がりコーヒーを飲む。暑かろうが寒かろうが私はホットコーヒーを飲むのがすきだ。年中無休で飲み続ける。正直そこからあまり何をしたか覚えていない。こうならないように日記をつけているはずなのだが、昨日のことすらままならなくなってきた。筋トレをしたことは覚えている。苦しかったから。

明日は早く家を出ねばならん。早めに寝なくてはいけない。面倒である。既婚男性ではあるが、今からでも間に合わんだろうか。どうにかこうにか養われて生きていきたい。頼む。