貯蔵庫

日記、ぶつける当てのないもやもやを置いておく場所

VS 高層オフィスビル

まどろみの午後です。いかがお過ごしですか。

ここのところの私と言えば人生初の夜勤を経験し、翌日、翌々日と具合が悪くなって職場を音速で離れる決心をより一層強固なものにしてみたりしております。わたしにゃできん。音を超えてやる。いっくら寝ても寝たりん。肌と胃が荒れ放題。夜勤明けの昼間、重たい頭を枕に沈めると男性から性的な目で見られ、追い掛け回される夢を見た。めっっちゃくちゃ怖かった。踏んだり蹴ったりである。何を言われようが私は知らん、私は私が一番大事。私以外私じゃないの、当たり前だけどね。

速度を取り戻し、胃薬を流し込み保湿剤を顔面に塗りたくった私は回復しきっていない体を引きずり、さっそく面接に向かった。会場は都内某所のお洒落なスケスケのビルである。あまり早くに行っても失礼にあたる、と就職活動のときにマイナビで見たので、該当のビルのエントランスまでたどり着き、でっけ~案内板に企業の名前があることを確認し、近所のローソンの店内で立って時間をつぶし、完璧な時間配分でビルに再突撃をかます

あのあれ、罠だよな。新しめの高層オフィスビルにありがちな乗るエレベーターがいっぱいあってよく分からないやつ。どこを見回しても10階以上にたどり着く手段がないやつ。中層にまたエントランスがあってそこからさらに行き先が分岐しているエレベーターに乗るやつ。ぬぼうっとして他人事の警備員からこのダンジョンの情報を聞き取り、小走りで会場に向かう。

今こうして振り返っても勝った気がしない。私が言葉を吐くたびに、面接官の眉間のしわが深くなっていく気がする。内定が遠ざかる。世界のすべてから否定されているような気がする。わざとらしいくらいに白いこのダンジョンで箱詰めになり労働に勤しむビジネスマン達全員が、私が鼻くそをほじりすぎて血を流している間にコツコツと輝かしい学歴を積みあげ、幾度の面接と適性検査を潜り抜け、この場に立っているのだろう。尊敬と嫉妬と後悔の念でいっぱいである。

面接を終えエレベーターに乗り込み、無理に下げた目じりの角度が元に戻ってから、ずっと反省会が止まらない。私は心の回復を図るため渋谷のポケモンセンターに向かった。パルコの1Fでポテサラとビールを胃にぶち込む。途端に頭の中を占拠していた重たくて紫色の靄が晴れ、朝日が昇り橙色の全身タイツを着たおじさんがご機嫌に踊り始める。もう、すべてがどうでもよくなった。面接後のスーツで入れるアルコール、危険なほどに染みる。酔っているのでポケモンカードを1BOX買って帰った。かわいくて小柄でアニメ声のレジのお姉さんに「今日はお仕事ですか?」と聞かれたのでこのまま真っ直ぐ帰るだけだったが「アッアッァウアッアッアッアッアッハッ…………アッアッハイ」と答えておいた。「いいカードが当たるといいですね」と言われたので私は「お前が好きだ」と思った。

早いところ切り上げないと本当に精神衛生上よくない。夜勤が本格的に始動し、ここからどんどん肉体的にも余裕がなくなっていくだろう。もー雇って。雇って雇って。お願い会社に仲間に入れて。お願いお願い。

うだうだと書いていたら1000文字を突破してしまったので本日はここらで。全労働者の早期帰宅を願って。むんむん。