貯蔵庫

日記、ぶつける当てのないもやもやを置いておく場所

カレー

土砂降りの冷え込む朝ほどゲンナリする朝はない。バイク通勤者にとってそれは自らのHP配分に大きく影響を与える。案の定職場に着くころにはHPメーターは橙色に輝いている。寒さで震えながらバイクを降りる。雨合羽の股のつなぎ目のから浸水してきた雨水のせいで寸分も狂わず、おしっこを漏らした人間の歩き方をしている。のっぺりと、端的に表現するのであれば、最悪な朝である。

股は濡れたまま、難しい顔で椅子に座り、開いたレッツノートの画面右下の時計の数字が増えていくのをただひたすらに待つ。時折転職サイトを見て、ハンターハンターを読み進める。パクノダ、ひとりで空港に来い。

日替わりメニューの中から消去法で選ばれた昼食のハンバーグを食べた。あまりに穏やかな午後、眠すぎて脳と手が滑り、誤ってブログを書く。数か月ぶりに書くと楽しいものだ。

書いたついでに純日記タグをぐるりとまわる。特に直接的な交流があるわけではないが、勝手に親近感を抱いている見知ったブログタイトルが出てくると、嬉しくなった。私が鼻くそをほじっている間にも、少しずつ積み重ねることができる人だ。書く習慣が根付いている人達、本当に尊敬する。一方、私は鼻くそだ。

その後、外出する予定があったので、豪雨の中を公用車を走らせる。業務を終え、職場に戻る前、おいしいカレー屋さんのお持ち帰りが近くにあることを教えてもらう。買って帰ることにした。

信号機の鮮やかな電飾の光が濡れた横断歩道に反射している。寒さで身を震わせながら信号機の中の人間が歩き出すのを待つ。極寒、豪雨、勤務中、久々の外出、カレーを買いに行く、という状況になんだかおもしろくなってしまい、にやにやしながら水浸しの白黒を踏んで前に進む。店に入るとエプロン姿のご婦人が接客して下さる。少し高揚していたのか声の抑揚がおかしくなってしまう。びしょびしょの男が妙な発音でカレーを買いに来るものだから怪訝な目で見られてしまった。反省だ。

職場に戻り、家に帰る頃には雨は上がっていた。慣れないことをしたからか、身体が重く、晩御飯の後妻にくっついていたらふたりで寝こけてしまった。珍しくいびきをかかなかったことを少し褒められたが、即追い出された。人と一緒に寝ること、幸せを感じる。が基本的には私には敵わぬ夢なのだ。厳しい人生。

今日の労働も残すところあと1時間半。早く帰りたい。帰りたいというか、ここにいたくない。