貯蔵庫

日記、ぶつける当てのないもやもやを置いておく場所

花見

私はこの4月から昇進することとなった。今日は夜勤明けに辞令を受け取り、職場から消える予定だ。特に環境が変わるわけでもないため全くもって実感はないし、転職活動をやめるつもりもない。しかし、すれ違う人に祝いの言葉をもらえる。そりゃあもう、気分は悪いものではない。なんとなく上機嫌である。AM 11:00。帰って寝るだけというのも、もったいない気がしたので、外で昼食を摂ってから帰ることとした。

先日出勤する際に小さい公園に咲く桜が綺麗だったことを思い出し、マクドナルドを持ち帰り、弾丸ソロ花見を敢行することとした。夜勤明けのエンジンがかかった私はだれにも止められない。走り出せ、走り出せ、明日を迎えに行こう。(嵐)

マックの店内には近隣の私立中学校の入学式を終えたであろう、品のいい学生とその親御さんでごった返していた。ツーブロックで綺麗なスーツをパリッと着こなす父と、色が微塵も褪せていない、綺麗な制服を着た黒髪の娘が、仲良さそうにひとつのメニューをのぞき込んでいる。ああ、いいなあ、私はこの親子のように、わが子と良好な関係性を築けるだろうか。最近よく思うようになった心配事である。我々夫婦間には子もいないし、予定もないのに。自分の中の人生の比重が他者に向き始めているのかもしれない。

空は鈍く曇り、風が強く、肌寒い。買ったダブルチーズバーガーを原付のハンドルにぶら下げて、目的の公園に向かう。連日の雨と強風で肝心の桜は4分咲き(6分散り)くらいの感じだ。花見コンディションとしてはB-といったところだ。

f:id:mikkaa:20230406234244j:imageマックのハンバーガーの写真は、1度もうまく撮れた試しがないよな。本当に。

ベンチに腰掛け、強風で舞い上がる桜の茶色く変色した大量の花びらから、ぬるいハンバーガーを守る。耳に突っ込んだイヤホンから、なんとなくシャッフル再生でカネコアヤノを流し、ぼんやりと木を見上げていた。コンビニ店員に恋をする女の子の歌詞を頭の中で追う。共感できなさ過ぎて、口角が上がる。少し量が多い、氷で薄くなったコーラを早く減らすために、強めに啜る。やはり紙ストローの感触は何にも代えがたい不快感がある。

こう書き連ねてみても、大手を上げて綺麗で楽しかった、とは書けないが、悪い時間ではなかったなあと思う。これが私の今年のお花見だ。滑り込みセーフだろ。私は花見に人と行くのが、どうにも億劫でならない。これくらいの温度と距離間で、末永く楽しんでいきたいものだ。

 

今週のお題「お花見」